首相が撃たれた日に
「首相が撃たれた日に」
ヘブライ語:Ba-Yom She-Bo Yaru Ba-Rosh Ha-Memshala
英語:The Day They Shot the President Down
著者:ウズィ・ヴァイル By: Uzi Weil
書籍名:本作品タイトルに同じ
初版:1991年 Am Oved社 (Tel Aviv)
再版:2003年 Yedioth Aharonoth社
翻訳(ヘブライ語から):母袋夏生 Translation (Hebrew) : Natsuu Motai
作品紹介
「首相の撃たれた日に」の作品背景:
"Ba-Yom She-Bo Yaru Ba-Rosh Ha-Memshala (The Day They Shot the President Down) by Uzi Weil, Am Oved,1991/Yedioth Aharonoth 2003
ヴァイルが26歳で発表した『首相が撃たれた日に』(1991年/2003年)の表題作。
ラビン首相が1995年11月に暗殺された時には予知能力があったのかと騒がれたそうだが、刊行時の首相はシャミールだった、とヴァイルはいう。中東和平に消極的だったシャミールは、1992年の選挙で積極派のラビンに敗北した。当時の、平和を求める市民たちの焦燥感や、いまも続く不穏な政治情勢、行き場のない「出口なし」が、タイトルにも象徴的に表れている。
本作には、輝かしいはずの18歳からの数年を兵役にとられた虚しさと兵役後の無力感がいささかの感傷をまじえて綴られている。加えて本作では、国家建設を担った、老兵ともいえるアブラハムの寂寞が見事に描きだされている。兵役についての作者ヴァイルの述懐は「で、あんたは死ね」の作品背景をご覧ください。*